アメリカ入国審査・税関の流れ
ESTAの承認はVWPで米国へ向かう便に搭乗するための認証で、入国の最終判断は到着時にCBP審査官が行います。到着後の流れ、審査官が確認すること、電子化されたI-94、申告が必要な持ち込み品を整理します。

KEY POINTSこの記事の要点
- 到着した全員が、CBP審査官による入国・税関・農産物の検査の対象
- 紙のI-94/I-94Wの記入は不要。到着記録は電子的に作成される
- 現金等1万ドル超と食品・農産物はすべて申告が必要
- 90日VWPで認められる滞在1回の滞在の上限。延長や滞在資格の変更はできない場合がある
- 2年ESTAの有効期間またはパスポートの有効期限まで。到着時に有効であればよい
- 1万ドル現金等の申告の基準合計がこれを超える金銭的手段は、持ち込み・持ち出しとも申告
01ESTAの承認と入国審査の関係
ESTAの承認は、ビザ免除プログラム(VWP)で米国へ向かう便に搭乗するための「渡航認証」です。CBPは、ESTAの承認は旅行者が米国への入国を前提に搭乗できることを承認するものであり、入国そのものを保証するものではないと説明しています。米国に到着すると入国地でCBP審査官の審査を受け、VWPの条件や米国法上の理由で入国を認めないと判断されることもあります。
到着した全員が、入国審査・税関・農産物の検査の対象です。VWPで渡航する人は、ESTAの承認を受けているかどうかにかかわらず、到着時に税関申告が求められます。一方、紙のI-94Wカードを記入する必要はなくなりました。
承認画面の印刷は義務ではありません。DHSは航空会社とESTAの状況を電子的にやり取りしており、到着時にも審査官が電子的に確認できます。ただし、申請番号の控えとして印刷やスクリーンショットを持っておくことをCBPは勧めています。承認までの流れはESTAを自分で申請する全手順で説明しています。
- ESTAの承認=搭乗の承認。入国の最終判断は到着時のCBP審査官が行う
- 到着時に有効であれば足りる。滞在中にESTAの期限が切れても出国に影響はない
- VWPで認められる滞在は1回につき90日以内。延長や滞在資格の変更はできない場合がある
02ESTAで入国するときの到着からの流れ
乗継だけの場合でも、VWP参加国の国民は米国での乗り継ぎにESTA(またはビザ)が必要です。申請の渡航情報で「米国への渡航は他国への乗り継ぎのためですか」に「はい」を選び、住所欄に「In Transit」と入れておきます。到着後にCBPが行うのは、次の手続きです。
- 入国審査(CBP審査官による審査)。パスポートを提示します。ESTAの承認は航空会社とCBPに電子的に伝わっているので、承認画面の提示は必須ではありません。審査官は、VWPで入国する資格と移民国籍法上の入国資格があるかを判断し、入国の可否を決めます。
- 生体情報の取得。VWPで入国を申請する人は、到着時の手続きで指紋と写真を含む生体認証データを提出することに同意しています。
- 税関申告と農産物の検査。VWPの渡航者は到着時に税関申告が求められます。現金等1万ドル超や食品・農産物など、申告が必要なものがあれば申告します。
03入国審査でCBP審査官が確認すること
CBP審査官は、VWPで入国する資格があり、移民国籍法上の入国資格があることを、旅行者が審査官の納得するように示せるかを判断します。CBPが示すVWPの条件は次のとおりで、審査はこれらを満たしているかの確認です。
- 渡航の目的が短期の観光・商用・乗継で、滞在が90日以内であること
- 帰路、または米国より先の目的地への航空券を持っていること
- VWP参加国が発給した有効なパスポートで、VWP加盟の航空会社で到着したこと
- 米国の福祉・衛生・安全・セキュリティを脅かさないこと
ESTAの申請では米国内の連絡先や勤務先の情報を入力しています。勤務先の情報を求める理由について、CBPは「米国へ移住する意図がなく、訪問者としての条件を満たすことを示す材料になる」と説明しています。短期の観光・商用以外の目的(就労など)はVWPの対象外で、ビザが必要です。不完全な内容や事実と異なる内容の申請は、到着時に入国を拒否される理由になるとCBPは説明しているので、申請内容と到着時の説明は事実にもとづいて一致させておきます。条件の詳細はESTAの対象者と申請の条件へ。
VWPで入国する人が同意している条件
ビザでの入国と異なる点
- 入国後に、非移民としての滞在資格の変更や延長ができない場合がある
- 入国を拒否された場合、その決定に対して不服を申し立てる権利がない
- 入国条件に違反した場合、亡命の申請を除き、退去などの措置に対して審査や不服申立を行う権利がない
また、短い間隔で何度も入国を繰り返すと、米国に居住しようとしているとCBP職員が疑うことがあります。CBPは、各入国の間にどれだけ間隔をあけるべきかの明確な基準はないとしつつ、十分に余裕を持つよう求めています。
APPLY ON THE OFFICIAL SITE
米国政府の公式サイトから
ESTAを申請する
ESTAの申請はオンラインで完結します。パスポートと決済手段を用意して、米国政府の公式サイトからお手続きください。
ESTA公式申請サイトへesta.cbp.dhs.gov(米国CBP)
04ESTAの有効期限と滞在期限(電子化されたI-94)
I-94は、米国に入国した外国人の出入国記録です。VWPで入国する人はかつて紙のI-94Wカードに記入していましたが、ESTAの導入により、空路・陸路・海路で入国する旅行者はI-94Wを事前に提出せずに入国できるようになりました。DHSはペーパーレスのI-94Wに移行しており、ESTAの申請データが、紙のI-94Wで収集していたデータに置き換わっています。
到着記録は電子的に作られ、入国後はCBPのI-94サイトで自分の記録を確認できます。審査官が認めた滞在期限は、この記録に表示されます。
- 紙のI-94/I-94Wの記入は不要。到着記録は電子的に作成される
- 滞在期限はCBPのI-94サイトの記録で確認できる
- 滞在期限はESTAの有効期限とは別。ESTAが2年有効でも、1回の滞在は審査官が認めた期限(VWPでは最長90日)まで
05現金等1万ドル超の申告
現金や小切手などの金銭的手段を、合計で1万ドルを超えて持ち込む場合は、FinCEN Form 105で申告が必要です。米国への持ち込みだけでなく、米国からの持ち出しも同じです。家族など同行者がいる場合は、合算した金額で判断されます。
- 対象は米ドルの現金に限らず、外国通貨や小切手などの金銭的手段を含む
- 1万ドルは1人ではなく、一緒に旅行する家族・グループの合計で判断される
- 持ち込みと持ち出しの両方で申告が必要
- 申告すること自体は違法ではなく、申告しないことが違法。申告しなかった場合は没収や罰則の対象になる
該当する場合は、税関申告の際に審査官に伝えて申告書を提出します。持ち込める金額に上限はなく、申告が求められているだけです。
06食品・農産物の申告
食品・農産物は、すべて申告が必要です。肉、生の果物・野菜、植物、種、土、動植物由来の製品などが対象で、CBP農業検査官の検査を受けます。手荷物の中の菓子や土産物でも、食品であれば申告の対象です。
申告の対象になる品の例
- 肉・肉製品
- 生の果物・野菜
- 植物、種、土
- 動物・植物に由来する製品
- 申告していれば、持ち込めない品は没収されるだけで罰則はない
- 申告しなかった場合は罰金の対象になる
- 持ち込めるかどうか迷う品は、申告して検査官の判断に任せる
処方薬
処方薬は、本人が使う量を、医師の処方がわかる形で持ち込みます。処方箋や薬の説明がわかるものを一緒に持っておくと、検査で説明できます。
07入国審査の前に手元に用意しておくもの
入国審査の列に並ぶ前に、次のものを手元に出せる状態にしておくと、審査官の確認にそのまま応じられます。
- パスポート(ESTAを申請したものと同じ。新しいパスポートに替えた場合はESTAも新規申請が必要)
- ESTAの申請番号の控え(承認画面の印刷またはスクリーンショット)。提示は義務ではないが、確認に使える
- 滞在先の名称・住所(ESTAに入力した最初の滞在先と同じもの)
- 帰国便、または次の目的地への航空券の情報
- 1万ドル超の現金等を持っている場合は申告の準備。食品・農産物があればすべて申告
二重国籍の人は、ESTAを申請したVWP対象国のパスポートで出国し、同じパスポートで米国に到着する必要があります。米国籍を持つ人はESTAの対象ではなく、米国パスポートで渡航します。パスポートを更新した人の再申請はESTAの更新・再申請の方法と必要なケースへ。
渡航先ごとの到着後の流れはハワイ旅行のESTAと入国審査の流れ、アメリカ本土のESTAと入国審査のページにまとめています。グアム・サイパンへESTAではなく専用の電子渡航認証G-CNMI ETA(Guam-CNMIビザ免除)で渡航する場合はグアム旅行にESTAは必要?のページへ。
08アメリカ入国審査のよくある疑問
QESTAの承認画面は印刷して持っていくべき?
義務ではありません。DHSは航空会社とESTAの状況を電子的にやり取りしており、審査官も電子的に確認できます。ただし申請番号の記録として、印刷やスクリーンショットを保存しておくことをCBPは勧めています。
Q滞在中にESTAの期限が切れても大丈夫?
問題ありません。ESTAの有効性が求められるのは米国に到着する時点だけで、滞在中に期限が切れても出国に影響はありません。ただし滞在そのものは、審査官が決めた滞在期限(VWPでは最長90日)までです。
Qアメリカの入国審査では何を確認される?
VWPで入国する資格があるかです。CBPが示す条件は、短期の観光・商用・乗継で90日以内の滞在、帰路または次の目的地への航空券、VWP参加国の有効なパスポートなどで、審査官が納得するように示せる必要があります。
Q入国を拒否されたらどうなる?
到着に使った航空会社の便で、出発国または復路の航空券に記載された第三国へ送還されます。VWPで入国する人は審査官の決定に不服を申し立てる権利を放棄しているため、その場で異議を申し立てることはできません。
Qアメリカに現金はいくらまで持ち込める?
上限はありませんが、現金・小切手などの金銭的手段の合計が1万ドルを超える場合はFinCEN Form 105で申告が必要です。同行する家族の分と合算して判断されます。申告は違法ではなく、申告しないことが違法です。
Q日本のお菓子やお茶も税関で申告が必要?
必要です。食品はすべて申告の対象です。申告していれば、持ち込めない品は没収されるだけで罰則はありませんが、申告しないと罰金の対象になります。迷う品は申告して検査官の判断に任せます。
09まとめ
- 01ESTAの承認は搭乗の承認で、入国の最終判断は到着時のCBP審査官が行う。到着した全員が入国・税関・農産物の検査の対象
- 02到着後は、入国審査(パスポート提示)→指紋と写真の取得→税関申告と農産物検査。承認画面の提示は義務ではない
- 03審査官はVWPの条件(観光・商用・乗継で90日以内、帰路の航空券、有効なパスポート)を満たすかを確認する。申請内容と到着時の説明は事実にもとづいて一致させる
- 04紙のI-94/I-94Wは不要で、到着記録は電子化。滞在期限はCBPのI-94サイトの記録で確認でき、ESTAの有効期限とは別
- 05現金等は同行者と合算して1万ドル超なら、持ち込み・持ち出しともFinCEN Form 105で申告する
- 06食品・農産物はすべて申告。申告していれば没収だけで罰則はないが、申告しないと罰金の対象
ESTAの申請は公式サイトで
申請の受付は米国CBPの公式サイトだけが行っています。申請料は$40.62です。当サイトは申請を受け付けていません。

